Flash動画をスマホ動画に変換するには

Flash動画をスマホ動画に変換するには
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スマホでホームページ上の古い動画を見ようとしたとき、「このプラグインはサポートされていません」となり、動画が見れなかったりしたことはありませんか?
あるいは、パソコンで「 Adobe Flash Player がインストールされていません」となって、インストールボタンが表示されるということはありませんか?
これは、動画が Flash 動画である場合、起こる現象です。
ならば、Adobe Flash Player をインストールすれば、いいのかといえば、そう簡単でもなかったりします。
FlashPlayer をインストールしているパソコンの場合でも、
「クリックして、Adobe Flash Player を有効にします」
と、クリックするよう促され、クリックしても、今度は
「***(アドレス)が次の許可を求めています」「 Flash の実行」
と警告が表示され、「許可」ボタンを押さないと動画が始まらないという何ともまどろっこしいやり取りが続きます。

もし、あなたのホームページに Flash 動画があれば、早急に手を打つ必要があります。ユーザーは悠長に Flash Player をインストールしてくれるとは限りません。さっさとヨソのホームページへ行ってしまうかもしれません。そんな事態を避けるため、Flash 動画をスマホ動画に変換し、スマホ・タブレット・パソコンのどれでも警告なしに見れるようにするのが得策です。
では、どうやって変換するのか、という話に移る前に、どうしてこのようなことになってしまったのか、歴史を振り返ります。

かつて、Flash 動画は隆盛を極めた

そもそも Flash 動画とは何かというと、簡単に言うと、マクロメディアが開発した Flash Player で見る動画です。(後に、マクロメディアはアドビシステムズに買収されました)。
Flash 動画以前にも、Windows Media Video や QuickTime ムービーなど動画を見る Player があり、それぞれに対応した動画形式がありました。しかし、それらはホームページ上で見ているときでも、いちいち専用のプレイヤーが立ち上がり、おもむろに動画を始めるというものでした。しかもどちらの動画形式も圧縮技術が未熟なため、低画質でもファイルが重いという難点がありました。
Flash 動画は圧縮技術にすぐれていたため、高画質のまま、動画ファイルを小さくすることができました。そして Flash をホームページに埋め込んで閲覧できるよう、マクロメディアは InternetExplorer などのブラウザ用に Flash Player というプラグインを開発し、提供しました。ブラウザ各社がこぞってそうした Flash Player をプリインストールしたおかげで、ユーザーは何もしなくても、動画をクリックするだけで警告なしに、ただちに動画を見ることができました。
ホームページといえば、まだテキストや画像が主流だった2000年代中ば、Flash 動画が現われたのは衝撃的で、ホームページも競うように Flash 動画を掲載し、ブラウザの Flash Player の搭載率も高まり、全盛期には全ブラウザの96%で Flash 動画が見れる状況でした。
こうした状況を受けて、私たちのようなホームページ制作者の間でも「動画は Flash で作る」というのがセオリーとなり、万一、Flash Player をまだインストールしていないブラウザに当たった場合、「 Flash Player がインストールされていません」という警告表示をして、インストールボタンを表示させるという流儀が流行りました。

iPhone が Flash を駆逐した

ところが、2010年ごろになり、Flash 非対応の iPhone が台頭するようになると、状況が一変しました。
iPhone は FlashPlayer を搭載せず、当時 HTML5 (ホームページの規格) 向けにまだ検討中だった mp4 という動画形式を採用していました。つまり iPhone では Flash 動画が見えず、その段階では次期バージョンとしてまだ確定されていなかった mp4 に賭けたのです。iPhone や iPad のユーザーやベンダーからは Flash への対応を強く要望されましたが、当時のスティーブ・ジョブスCEOははっきりと拒絶しました。
その iPhone が大成功したため、まだドラフト(草稿)段階であった HTML5 にそって、ホームページが作られるようになり、同時に、ブラウザ各社もパソコン用も含め、mp4 に対応するようになりました。
その間、Flash の方でも、プログラマーのコミュニティが中心となり、革新的なライブラリが開発されたりして、技術的には進展していました。が、Flash Player にまつわるトラブルにアドビシステムズが十分に対応できなかったこともあり、Flash 離れが進み、アドビシステムズは「2020年に Flash のサポートをやめる」と宣言しました。

Flash 動画をスマホ動画に変換するには

Flash は、基本的に swf というファイルを Flash Player に読み込んで、動画を表示さます。しかし swf は Flash のソースファイルではなく、閲覧用にコンパイルされたファイルなので、この swf ファイルをさらにコンパイルし直してもなかなかうまくいきません。なぜなら、Flash のソースファイルには、ActionScript という独自のプログラム言語が書かれていることがあり、プログラム部分を変換できないためです。
つまり、すべての Flash を便利ツールで一発変換、というわけにはいきません。
では、どうするのか?
Flash のタイプを切り分け、それぞれタイプに対して、アプローチを変える必要があります。
ここでは、Flash を3タイプに分けました。

A. 映像タイプ flv/f4v

ファイル構成
○ flv/f4v なし。flv と f4v は Flash 用に開発された映像の圧縮形式。
× 外部ファイルなし。
○ swf あり。
内容
映像
変換方法
flv/f4v を mp4 にコンバートし、HTML5 の仕様にしたがって、ホームページに埋め込む。

B. アニメーション/スライドタイプ

ファイル構成
× flv/f4v なし。
× 外部ファイルなし。
○ swf あり。
内容
パラパラマンガ、またはスライド。また、簡単なボタンなどが付加されたもの。
変換方法
コンパイル元の編集ファイル fla ファイルから画像を抜き取り、JavaScript で再制作する。それを、HTML5 の仕様にしたがって、ホームページに埋め込む。

C. プログラムファイル

ファイル構成
× flv または f4v が存在しない。
○ 外部ファイルが存在。
○ swf あり。
内容
とても手書きでは描けないような有機的で複雑な動き、または何かの要素が増殖するような動き。
変換方法
他のプログラムで再制作する。それを、HTML5 の仕様にしたがって、ホームページに埋め込む。
ただし、まったく同じものにはなりません。さらに、相当優秀なプログラマーでなければ、無理です。当然、コストもかかるので、動画の変換をあきらめるという選択肢も考慮する必要があります。

まとめ

もし、ホームページ上に Flash 動画が残っているのなら、スマホで視聴できる形式に変換しないと、ユーザーが逃げていきます。
そのために、もし、flv ファイルがあるのなら、それを mp4 にコンバートし、HTML5 の仕様にしたがって、ホームページに埋め込みましょう。
もし、flv ファイルがないなら、再制作が必要となります。

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